現代の世界では、既存の境界が、ますますあいまい化し、不明瞭になっていく。これを「ブラーリング(blurring)」現象という。
活発なNPOは、ますますスタートアップ企業のような活動スタイルになり、先進企業は、ますます社会や公共を語るようになるとともに、政府機能の一部さえ担当するようになる。また革新的な自治体は、行政を課題解決活動ととらえ、「顧客」概念を取り入れるとともに、活動の成果をしっかり評価するようになる、と考えられる。
それぞれのプレイヤーが、よりおおきなネットワークのなかの一部であり、相互に関わり合いながら、ともに変化していけるかが、今後の課題といえる。
Blurring現象が生じるのは、企業・NPO・行政といった、セクターに関することだけではない.学問、産業、職業、性差、都市と地方、健常と障害、サイバーとフィジカルなど、ありとあらゆる既成の区分や分類が、問い直されることになる.