shidara press

Some postcards for a post-disciplinary approach —新しい「知と方法」へ—

タグ: 矛盾

中間領域という未開の地

by shidarapress

「AかBか」や「あれかこれか」の二者択一ではなく、あいだや境界に生まれる価値にこそ注目したい。

◉ かつてミケーネと呼ばれる文明があった。作者が判明している史上最古の物語『イリアス』の原型を探ると、ここにたどり着く。栄えたその場所が面白い。エジプトやメソポタミアを中心とするオリエントと、ヨーロッパ文明の《中間領域》に位置している。この地域は地中海型の温暖な気候で、空気が澄み、島影を見失わずに安全に航海ができた。このため先進のオリエントと海上交通で結ばれ、この地からヨーロッパの他の地域よりはるかに早く高度の文化が開けていく。

多層的に語るストラテジー

by shidarapress

人生の否定的側面と肯定的側面の双方を、矛盾を恐れず、むしろ一見矛盾に見えるものを人生の豊かな多層性として描いていくのが、本小説『息子と恋人』の語りのストラテジーである。この小説には、人生のさまざまな悲しみと喜びが、異性愛ばかりでなく同性愛的なものも含んだ愛の根源的衝動が、そして、愛だけでなく、人生の戦いが描き込まれている。『息子と恋人』は、人生に当然のこととしてある悲劇にもかかわらず生きていく人間のたくましい姿が、滅びゆく人びとともに、多層的に描かれた作品と言うことができる。これは、20代後半の天才作家のみが書き得た、そこに人生のすべてがあるような豊かな小説だ。(D.H.ロレンス『息子と恋人』訳者あとがきより抜粋・編集)

変化するヨーロッパ

by shidarapress

ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill, 1874-1965)とロベール・シューマン仏外相(Robert Schuman,1886-1963)はともに、統合こそが欧州の平和を維持する唯一の道と信じていた。1950年、シューマンは、フランスと西ドイツによる石炭・鉄鋼産業の共同マネジメントという、EUの基盤となる構想を宣言した。

“ヨーロッパは1日にして成らず。それは事実上の結束をまず生み出すという、具体的な実績を積み重ねることによって築かれてゆくものです。”(ロベール・シューマン:欧州統合の構想について)

ヨーロッパは生成変化する、ひとつの生きもの。ヨーロッパ成立のプロセスでは、離合集散をめぐる葛藤がつきもの。さまざまな対立や矛盾も抱えながら、ヨーロッパは未来にむけて自己形成していく。

設樂剛事務所