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Some postcards for a post-disciplinary approach —新しい「知と方法」へ—

タグ: 物語

世界モデルとしての物語

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人類学者の山口昌男は、こう述べている。「人は、それぞれの課題と関心に合うように世界を切り取り、世界についてのモデルを、たえずつくり変えていかなければならない。世界はもはや、そこにあり、それを客観的に記述していけば再現できる、というものではない。われわれがたえず、解読のためのモデルをつくり変えていかなければ、世界はたちまち眼前から姿を消してしまう」。ここでいう世界を切り取り、世界についてのモデルとなるのが「物語」というメディアである。物語とは世界モデルなのである。

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物語革命

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「 私たちがいま必要としているのは、おそらく新しい方向からやってきた言葉であり、それらのことばで語られるまったく新しい物語です 」村上春樹

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語り部がその技術を鈍らさないようにするために開発したのが、「 韻 」や「 物語 」を使った情報保存様式。ホメロスや稗田阿礼は、口語を韻律や物語のかたちにして情報を記憶・再生できるようにした。

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物語と人間社会

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人間は、物語を使って、膨大な情報を保存してきました。そこには世界や人間の見方、社会や自然や宇宙との関わり方といった情報がアーカイブされてきました。人間の共同社会は、そうした物語をそれぞれに抱えながら営まれています。

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まっすぐ歩けない人間たち

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「人間とは何か」という問いに対する、うんと古い回答にオイディプスがいます。古代ギリシア神話の登場人物です。オイディプスは跛行者です。そもそもオイディプスという名前自体が “腫(は)れた足” を意味しています。だから、足を引きずったり、左右に揺られたりしながら歩いています。

ここから、人間とはまっすぐに歩けない動物である、というイメージが現れることになります。まっすぐに歩けない人間が先々の方向感覚を得るために、時代時代で民族や部族の知恵、経験、思想、物語といった座標軸が形成され、継承され、革新されていきました。

◉関連リンク  創発社会の特徴先駆者たちの登場│アクシデントによって試される知性

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ナラティブ・アプローチ

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「ナラティブ・アプローチ」では、人間的・社会的・文化的な事象を扱うにあたって、人間活動(ビジネスも含まれます)における物語のシステムを重視しています。中村雄二郎は「およそ、習慣・習俗・文化などの『見えにくいシステム』のうち、わたしたちの思考にとって、もっとも直接で密接な関係をもつのは、無意識的な言語のシステム」だと語っていますが、「ナラティブ・アプローチ」は、こうした「思考(知、心)と物語」の関係を重視しています。

◉関連リンク Becomingとしての人間エンパワーメント方法としての「対話」

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「替える」と「変える」

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トップが大幅に若返る抜擢人事、あるいは著名経営者や外国人CEOの就任は、いっときの注目を集めたとしても、単なる話題づくりであったなら意味がありません。大切なのは「替えること」よりも「変えること」。企業の未来はクビのすげかえ以上に、アタマのきりかえにかかっています。こうした発想転換や思考枠組みの自覚的なつくりなおしを可能にする開かれた対話的方法は「ナラティブ・アプローチ」と呼ばれます。

◉関連リンク Becomingとしての人間エンパワーメント方法としての「対話」ナラティブ・アプローチ

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Narrativeの2重の意味あい

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「ナラティブ」という言葉には「物語」と「物語り」という2つの意味が含まれています。送り仮名をつけて「物語り」にすると、動作をあらわすようになって、物語を語る行為を指します。ストーリーではなく、ナラティブと言うことで、もっと動的な語感が出ます。語り出すこと(物語の誕生)、語りつづけること(物語の継承)、語り合うこと(物語の共有)、語り直すこと(物語の刷新)、どれも「物語り」であって、時代時代の語り部たちによって、物語の発生・形成・派生・混成・再生が左右されてきました。「ナラティブ」という用語によって、〝物語〟という語られたもの(story)と、物語を語ること(story-telling)、この両面を同時に表すことができます。

◉関連リンク Becomingとしての人間エンパワーメント方法としての「対話」ナラティブ・アプローチ

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