shidara press

Some postcards for a post-disciplinary approach —新しい「知と方法」へ—

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しぶしぶ『グレート・ギャツビー』

by shidarapress

成果は共につくられるものだが、その際しぶしぶが好結果を生むこともある。

◉ 出版の期日が迫るにつれ、フィッツジェラルドは落ちついていられなかった。とりわけ、題名に確信がもてなかったのである。3月初めには編集者に電報を打って、書名を『金の帽子のギャツビー』に変えたいのだが、遅すぎるだろうかと聞いてきた。編集者からの返事はこうだった。そのような変更をすればいたずらに出版を遅らせるばかりか、大きな混乱を招くだろう。そこでフィッツジェラルドは『グレート・ギャツビー』という題をしぶしぶ認めることにしたが、心のなかでは、これがいつまでも作品の傷として残るだろうと考えていた。

その小説が今日、英語で書かれた20世紀最高の小説に数えられている。

1 1922 Ulysses James Joyce
2 1925 The Great Gatsby F. Scott Fitzgerald
3 1916 A Portrait of the Artist as a Young Man James Joyce
4 1955 Lolita Vladimir Nabokov
5 1932 Brave New World Aldous Huxley
6 1929 The Sound and the Fury William Faulkner
7 1961 Catch-22 Joseph Heller
8 1940 Darkness at Noon Arthur Koestler
9 1913 Sons and Lovers D. H. Lawrence
10 1939 The Grapes of Wrath John Steinbeck

reference to this page: Modern Library 100 Best Novels. note: フィッツジェラルド(Francis Scott Fitzgerald, 1896-1940)。仕事をする意欲がなくなると決まって南のヴァージニアに向かった/グレート・ギャツビー(The Great Gatsby, 1925 )ニューヨークの証券会社に勤務する主人公ニックは、ギャツビーの世界を乗りこえて自分の物語を歩み始める。物語構成は、Ⅰ. ジェイ・ギャツビーとの出会い、Ⅱ.デイズィを愛し続けるギャツビー、Ⅲ.マートルの死、Ⅳ.ギャツビーの死。 ぼくがまだ若く、いまよりももっと傷つきやすい心をもっていたときに、父がある忠告を与えてくれた・・から始まる/マックス・パーキンズ( Maxwell Evarts “Max” Perkins, 1884-1947 )フィッツジェラルドの担当編集者。チャールズ・スクリブナーズ・サンズ所属。

『楽園のこちら側』

by shidarapress

フィッツジェラルドは一章も送ってこなかったが、1919年9月の第一週に、完成した決定稿がパーキンズの机の上に届けられた。フィッツジェラルドは、原稿をかなり書き変え、パーキンズの提案をことごとく取り入れていた。語り口を三人称に変え、もとの作品から集めた素材をずっとうまく使いこなしていた。そして、作品の題名も新しくなっていた。『楽園のこちら側』と。

彼はマックスウェル・パーキンズから速達の手紙を受け取った。「このことをお伝えするのは、わたし個人としてもまことに喜ばしい次第ですが、わが社の意向として、あなたの作品『楽園のこちら側』を出版することが決まりました。前にお送りいただいた作品を尺度として考えますと、表現がいくらか変わり、全体として長くなってはいますが、非常によくなっていると思います。第1稿もそうでしたが、このたびも活力と生気に満ちあふれており、わたしのみるところ、はるかに均衡が取れているように思われます・・・。なにぶん異色な作品ですので、どれほど売れるか予測しにくいのですが、全社をあげてこの出版に賭け、精一杯努力する所存です」35-37