shidara press

Some postcards for a post-disciplinary approach —新しい「知と方法」へ—

タグ: ウィンストン・チャーチル

E.Toddの認識枠組み

by shidarapress

ここでエマニュエル・トッドの語り方を見てみよう。「イギリスにはつねに、ウィンストン・チャーチル、あるいはボリス・ジョンスンのような政治家が体制内にいます。紛れもないエスタブリッシュメントの一員ですが、エリート層の少数派として民衆側につく、そんな政治家です。ですがフランスにとって大いに問題なのは、エスタブリッシュメントのなかから、大衆の利益をあえて引き受けるエリート少数派が出てこないことです」

ここには、権力システム論の古典的な見方である、社会を統治する少数のエリートと大衆という上下2分法が、エマニュエル・トッドのなかに認められる。他方、以下では3分法を活かして、中産階級こそ歴史を動かす主体だと語っている:

「中産階級に比べれば、上層の貴族層も、下層の庶民層も現代社会への影響という点でさほど重要ではありません。『1%の支配』という超富裕層と、それ以外との格差の問題はたしかに存在します。まったく不公正な格差です。しかし、このことを指摘したからといって、『西欧先進社会は閉塞状況に陥っているのに、なぜみずから方向を変えられないのか』という問題の説明にはならないのです。この問題を解くには、中産階級の分析が不可欠です。つまり、1%の超富裕層の存在を許し、庶民層の生活水準の低下を放置しているのは、中産階級だからです」

古典的な権力システム論では、社会的成層化(social stratification)という見方をするので、上下2分法、あるいは上層・中層・下層という分類法を採るが、トッドもそうした認識枠組みでヨーロッパ社会を眺めていることが示されている(民衆や大衆といった表現は原文訳のまま)。

変化するヨーロッパ

by shidarapress

ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill, 1874-1965)とロベール・シューマン仏外相(Robert Schuman,1886-1963)はともに、統合こそが欧州の平和を維持する唯一の道と信じていた。1950年、シューマンは、フランスと西ドイツによる石炭・鉄鋼産業の共同マネジメントという、EUの基盤となる構想を宣言した。

“ヨーロッパは1日にして成らず。それは事実上の結束をまず生み出すという、具体的な実績を積み重ねることによって築かれてゆくものです。”(ロベール・シューマン:欧州統合の構想について)

ヨーロッパは生成変化する、ひとつの生きもの。ヨーロッパ成立のプロセスでは、離合集散をめぐる葛藤がつきもの。さまざまな対立や矛盾も抱えながら、ヨーロッパは未来にむけて自己形成していく。

設樂剛事務所