我関わる、ゆえに我あり
by shidarapress
我関わる、ゆえに我あり。人間とはネットワークの中のノードであり、関係のネットワークのなかで生成変化していく。
T・ピケティの『21世紀の資本』は富と所得の歴史的な変動を理解しようとするもので、1998年から2013年にかけて実施された15年におよぶ研究に基づいている。多くは他の研究者との共同研究の成果に負っている。
とくにアンソニー・アトキンスン。かれはピケティのお手本となった人物で、かれがはじめて、ピケティの格差にかんする歴史研究(フランスを対象)に目を通した。そして2人は共同研究を開始し、イギリスをはじめとして全部で20カ国をカバーする所得格差の歴史的推移について包括的なデータベースを構築する。
もうひとりのキーパースンはエマニュエル・サエズである。ピケティと彼はアメリカを対象にデータの収集と分析をはじめる。結果1970年から1980年にかけて、トップ1%の所得が「めくるめくほどの増大を遂げている」ことを発見する。この研究が、アメリカの政治論争に一定の影響をもつようになった。これと関連して、資本と所得に対する最適課税にかんする理論的論文も2人で執筆を重ねていくことになる。
また本書で頻繁に参照している世界トップ所得データベース(WTID)の精緻化はファクンド・アルヴァレードに、本書の「細部への慎重な配慮」はガブリエル・ズックマンに負うところが多い。
今日、企業行動を、需要と供給の2つに分けて理解するしかたでは、あまりに単純な場合があります。そのときには、あらためてビジネス活動を、もっと多元的なもの、つまり、多様なアクターが多数多層に関わりあう、流動する「関係ネットワーク」のなかに位置づけて理解する必要があります。数多くのビジネス用語もまた、こうした「複雑ネットワーク(complex networks)」の観点から定義し直す(認識し直す)ことが必要だと考えられます。
変化創造のカギとなる「インターミディエイター」は、異なる集団のあいだ・界面を自在に動きます。例えば、部門Aと部門B、グループ企業内の企業Cと企業D、あるいは地域Eと地域Fなど、異なる領域のあいだを行き来しています。この境界をまたぐ行為、行ったり来たりという行為が、双方に新たな情報や洞察をもたらすことになります。その過程で多様な人びとの「関係づくり」が模索され、促進されます。「あいだ」から創造するひとは、その両側を変えていく可能性をもっています。
◉関連リンク Intermediatorの貢献
企業が単独で価値をつくりだしているという発想は、もはや有効ではなくなってしまいました。より現代的な意味での「マーケティング」とは、供給サイドだけが生みだすのではなく、需要サイドも参加して、ともにあたらしい価値を生みだす協働作業、ないし多数多様なアクターが関わり合う創造的な離合集散のプロセスです。需給両者の関わり合い、のみならず第3者による参加・関与と、それを超えた社会的ネットワーク、さらに自然界を含めた、より広く複雑な、流動する関係の網の目から、有効な解決策も、地域や生活革新の方法も、あらたな価値も湧きでてくるようになりました。
◉関連リンク 需要サイドの参加・関与│「ブラーリング」現象│多様性への投資