『オデュッセイア』の結末:ホメロスの叙事詩

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◎復讐の連鎖は 何によって断ち切られたのか。

『オデュッセイア』(全24歌) では、冒頭、神々の会議が開かれ、女神アテネAthēnēの発議でオデュッセウスを帰国させることが決定される。第5歌から話はオデュッセウスに移り、オデュッセウスは筏(いかだ)に乗って帰国しようとするが、ポセイドンの起こした嵐で難破する。第6~12歌は、オデュッセウスが物語る数々の冒険譚が、その大部分を占める。物語のほとんどすべては、隻眼(せきがん)の巨人キクロペスや、歌う魔女セイレンなどの怪異談である。第13歌でイタケに帰還したオデュッセウスは、テレマコスと忠義な豚飼いエウマイオスの協力を得て、自分がいないあいだに家族を苦しめた悪人(求婚者)たちを討ち、妻ペネロペイア、老父ラエルテスと再会。求婚者たちの遺族との対決も、アテネの介入によって回避されて、終わる――(日本大百科全書)

「人類史上最高の物語り」とも呼ばれてきた この歌物語は、アテネという知恵ある媒介者(intermediator)によって、遺族にまでおよぶ報復 すなわち復讐の連鎖を断ち切り、幕を下ろす。

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