ミカエル・アグリコラによるスオミ語の形成

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ウラル語族に属するフィンランド語。スオミ語 Suomi とも。スオミ人は、ウラル語族のなかでもっとも西に進出したとされ、それのさい、バルト・スラブ語やゲルマン語との接触を通じて文化言語を取り込みながら、フィンランド語が形成されていく(異言語接触と自言語形成)。比較的新しい言語で、フィンランド語最古の文献は、16世紀。フィンランドの宗教改革者で、大主教の ミカエル. アグリコラ Mikael Agricola による『ABC読本(ABC入門)』(1543)が、次いで聖職者のための『祈祷書』(1544)が書かれ、『新約聖書』が初めてフィンランド語に翻訳される(1548)。こうした執筆・翻訳作業は、国民の識字力を高め、正書法の規範を築くことに貢献したことから、アグリコラは、フィンランド文学の開祖と位置づけられている(高橋静男、世界文学大事典)。それから300年ののち、19世紀に入ってフィンランド文学が開花していく。当時ロシアの統治下にあったフィンランドの地から、E. リョンロート Elias Lönnrot が登場し、彼による口承民族詩『カレワラ(or カレバラ、カレヴァラ)』(1848-49)をつうじて文化的語彙が整備されていく。一国の語彙が詩作によって形成される。

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