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ロラン・バルトは、作家を、小説家と批評家とに分類した。そしてこう言った。批評家というのは、「私」について語ることのできない作家であり、「私」について語るためには小説家にならなければならない。一方、批評家というのは、これから小説を書こうとする人のことであって、それを待つ間に、批評という余計なものを書いてしまう人のことだ、と。

この分類から、自他の境界が薄い人、自我の薄い人は小説家にあまり向かないことがわかる。かといって、何かを批評したいわけでもない人がいる。ここから、小説家でも批評家でもないが、ものを書く人という領域が現れる。バルトはそこに、そっと名前をつける。「エクリチュールの人」。その人はたえず writing している。書く人、ただそれだけ。a man of writing……。

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