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先日、あるビジネス研究会で、利他心と利己心について質問を受けた。そこで〈彼〉は、こう答えた。
「マーケティングは、相手から出発します。顧客から出発する。顧客の課題を解決することで、会社も成長する。団体が発展する。そう考えるのがマーケティングです。だから、利他だけをいうと、傲慢になる。顧客や人を救ってあげているという偽善になる。自分のためにもなっていると自覚してはじめて、学ばせてもらっている、成長させてもらっているという謙虚さがでる。この意味で、利他と利己は切り離せません。利他か利己かの二者択一ではなく、人を助けることが、自分を助けることになる。そう考えるのが、マーケティングです。競争相手と切磋琢磨するのはけっこうなことですが、競合に勝つというだけなら、ただの戦略論です。マーケティングは、生活者の生き方にプラスになるような提案をともにつくりだすことです。より発達した認識をもつようになると、地域や社会にとって、さらには地球環境や他の動植物に配慮した提案は何かさえ考え、その実現に向け、ともに実践していくようになります。
こうしたマーケティング本来のフィロソフィーがいつのまにか忘れられ、マーケティングというと、ものを売り込むためのテクニックだと思われているようです。あるいは、「営業・マーケティング」などと部署名が一括され、このときマーケティングは、広告・宣伝部門のように考えられている。たんなる市場調査とみなされていることも多い。困ったことであり、まことに残念なことです。マーケティングは、多様性のなかの対話を通じて、課題を解決し、価値を創造することです。その過程で、自他共に成長し変化するための、これからの社会で必要とされるフィロソフィーです」

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