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「先日、風邪をひいてしまいまして」
「おや」
「すごくめずらしいんですよ、こういうの。前に いつひいたか覚えてないぐらいで」
「そう、それは大変だったね。兆候はあったの?」
「なんかこう、腰のあたりがずっと寒くて、冷えてるなって思ってたんですけど、まあ、タカをくくってて。それでその状態でずっと仕事やってたんですけど。そしたら、そのあとノドが痛くなって、1日、2日咳払いしているうちに、本格的に風邪をひいちゃって」
「それは気の毒だけど、示唆に富む話だね」
「?」
「腰っていうのは、上半身と下半身の中間でしょう。あいだ、冷やさないようにしないとね」
「どうも、そうみたいですね」
世界は媒介によってできている という話、前にしたでしょう。『あいだ』が冷えると システムが壊れちゃうの」
「あー」
「これをビジネスに置き換えると、インターミディエイターが(社内や社会で)冷遇されると、ビジネス・エコシステム全体が壊れるんじゃないか、という話です」
「そうか。なのにこれまで“インターミディエイター”というコンセプトがないばかりに、“調整係”などといって、リーダー・タイプよりも、一段も二段も低く見られてきたんですよね」
「じつに不幸なことだね。タテ社会だと、もっぱら強いリーダーとフォロワーでよかったけれども、アミ社会だと、網の目を結べる人が価値をつくるの。インターミディエイターは、調整係どころじゃないの。価値創造の要なの。タテ社会にもこういう人たちはいたけれど、背景に隠されていたね。アミ社会になるほど、社会の大事な担い手としてクローズアップされるようになるよ」
「触媒といってはだめですか」
「カタリストのこと? 触媒というのは、自分自身は変わらないからね。インターミディエイターは、相手と関わりながら自分も変わるの」
「ああ、なるほど。そういえば、先日聞かせて頂いたマイクロソフトのサティアの話って書きましたっけ?」
「まだかな」
「あれ、読みたいです。いまのマイクロソフトのトップが “強いリーダー”、“カリスマ”というより、“インターミディエイター型”だっていう話」
「サティアがCEOになってから、どうやらマイクロソフトの業績がいいんだよ。その話も書いておくことにしようね」
「じゃあ、CEOのサティアさんは、マイクロソフトの『腰』みたいなもんなんだ」
「 笑。そうかもしれないね。めずらしいね。男の子たちは、すぐブレーン(脳)になろうとするからね」

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