ポストモダン・ビジネス研究会2017

「生」に対する虚構効果

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虚構の力がないと生きていけない——という話を、ある女性脚本家が語っていた。

「10歳の時に父を亡くし、19歳のときに母を亡くして。両親のことが好きだったのに、なんでわたしは、こうなっちゃったんだろう。そのころの2年間ぐらいの記憶がない。申し訳ないんですが、お友達を覚えていない。なのに、そのころに観た映画やドラマは鮮明に覚えている。きっと、人は本当に傷ついたとき、虚構の力が沁みるし、それがないと生きていけないんだと思います」

人間は物語なしに生きられない。付き合いのある人は、これまで何度も聞いたと思う。

2017年に「ポストモダン・ビジネス研究会」を主宰した時、第1回のタイトルは、「ひとはフィクションを食べて生きている」だった。

だが、このときは、人間の「生」に対する、虚構のプラス効果を扱ったのではない。逆だ。

現在はハーバード大学で科学論を講じるナオミ・オレスケス(Naomi Oreskes)原作の映画『世界を欺く商人たち』を取りあげた。

原題は “Merchants of Doubt” といい、2014年に公開された。

職業倫理の欠落したサイエンティストや自称専門家たちの語るまことしやかなフィクションが、いかに社会政策や企業活動を歪めてしまうか。

むしろ、こうしたフィクションのもつ負の効果について、適宜、事例をからめながら対話的に検討した。


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