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ひとは、虚構の力がないと生きていけないという話を、脚本家の中園ミホが語っている。

「10歳の時に父を亡くし、19歳のときに母を亡くして。両親のことが好きだったのに、なんでわたしはみなしごになっちゃったんだろう。そのころの2年間ぐらいの記憶がない。申し訳ないんですが、お友達を覚えていない。毎日遊んでいた友達の顔も覚えていないのに、その頃にみた映画やドラマは鮮明に覚えている。きっと人は本当に傷ついたときに、虚構の力が沁みるし、それがないと生きていけないんだと思います」

「人間は物語なしに生きられない」ものだ。長く付き合いのある人は、これまで何度も聞いたと思う。ここでは彼女ははっきりと「虚構」という言葉を使った。2017年に「ポストモダン・ビジネス研究会」を主宰した。第1回のタイトルは、「ひとはフィクションを食べて生きている」だった。

だがこのときは、人間の「生」に対する虚構のプラス効果を扱ったのではない。逆だ。いまはハーバード大学で科学論を講じるナオミ・オレスケス(Naomi Oreskes)原作の映画『世界を欺く商人たち』を取りあげた。職業倫理の欠落したサイエンティストや自称専門家たちの語るまことしやかなフィクションが、いかに社会政策や経営政策を歪めてしまうか。むしろ、こうしたフィクションのもつ負の効果について、いくつかの事例をめぐって対話的に検討した。

Link to ポストモダン・ビジネス研究会2017

Link to ポストモダン・ビジネス研究会 第1回レポート

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