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〈彼〉はいま、カルボナーラを食べながらバルザックを読んでいる。バルザックは1799年、18世紀末に生まれた人だが、このころイタリア南部に現れたのが「カルボナリ」と呼ばれる結社であった。カルボナリとは木炭をつくる人びと、つまりチャコール・メイカーズ(charcoal makers)のことで、彼らはウィーン体制に抗い、自由を求めて、社会変革運動を展開した。当時イタリア北部は、オーストリアに支配され、民族もイタリア内部もいくつもの国々に分断されていた。民族の独立と市民の自由を求めて統一を実現し、国民国家の形成を目指す運動を推し進めようとした。さまざまな起伏ある活動の末、その試みと所期の目的は、1860年に一応の達成をみることになる。よかったね。

こんなことを記したのはほかでもない。カルボナリによる社会変革運動は、イタリア統一を目指す運動の第一歩として位置づけられるからだ。世界の物事や歴史の運動は、そのはじまりを見なければならない。多くの人びとが見るのは、運動の中盤か終盤、つまり華やかなときか、ダメになったときである。

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