「見守る」という叡知(1)

投稿者: shidarapress

筆者は、多くのつまずきを経験した人が立ち直っていくのを援助することをしてきた。筆者の仕事の中核は、実のところ「見守る」ことにあると思っている。多くの人が、つまずきから立ち直る「よい方法」を筆者が教えてくれると思ったり、何か助言を与えてくれるものと期待して、筆者のもとにやって来られる。

しかし、ある個人が本当に成長することは、「その人なりの」道を自ら見つけ出し、つくりあげてゆくことであり、他人がかるがるしく教えたりできるものではないのだ。したがって、その間、その人が苦しい道を進んでゆくのを見守ること以上に、することはないのである。といっても、このことがどれほど難しく、苦しいことだと解っていただけるだろうか。

note: 河合隼雄,『大人になることのむずかしさ』岩波書店, p.122.

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