先駆者だけが見える風景

先駆者だけが見える風景

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西欧の進んだ本を読むことは、日本国中の人にできないことだ。
だが自分たちの仲間は、それができる。
経済的な見返りが乏しくても、スラスラと進まないことがあっても、
粗衣粗食で、一見みる影もないような慎ましい身分でありながら、
知力や思想の面で活発高尚なことは、
王侯貴族であれ眼下に見おろすぐらいの気位で、
ただただむずかしければ面白いし、
しんどさのなかにこそ楽しみがあり、
苦とはすなわち楽なんだ、
という心境にさえ達していたと思う。92

1行目にある「読む」は、ただ文字面に目を通すのではない。
先駆者は、一語一句から、来るべき世界、大きな風景、人間精神の奥底を読むのである。

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