エクソフォニー

投稿者: shidarapress

エクソフォニーという言葉は新鮮で、気に入った。この世界にはいろいろな音楽が鳴っているが、自分を包んでいる母語の響きから、ちょっと外に出てみると、どんな音楽が聞こえはじめるのか。それは冒険でもある。これは「外国人文学」とか「移民文学」などという発想と似ているようで、じつは正反対かもしれない。「外から人が入ってきて自分たちの言葉をつかって書いている」という受け止めかたが「外国人文学」や「移民文学」という言い方に現れているとしたら、「自分を包んでいる(縛っている)母語の外にどうやって出るか? 出たらどうなるか?」という創作の場からの好奇心にあふれた冒険的な発想が「エクソフォン文学」だとわたしは解釈した。

多和田葉子

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