ASEANとロシア

投稿者: shidarapress

ロシアは、自分の存在がかすんでしまう東アジア首脳会議のような集まりはやり過ごし、自分が主人公になる場をきちんと整えてきた。ASEAN・ロシア首脳会議、共同協力委員会など、話し合いのメカニズムをずいぶん整えてきたのである。目立たないながらも、対ASEAN外交の布石を、着々と打ってきたことになる。

ウクライナ問題で西側から制裁を受けているロシアは、「東方外交重視」を掲げている。だが、あまり中国に依存すると、代わりに何を要求されるか分からない。日本とも北方領土問題が片づいていない。だからASEANは、ロシアにとって「東方」の重要な一環となる。

何しろASEAN諸国の力はまちまちだが、ひとつにまとまると大きな力をもつ。人口は6億を超え、GDP総計が2兆4780億ドル。これは、現在のロシアGDPの約2.2倍にあたる。ASEANという「ブランド」はかなりの価値をもっている。

国際関係で武力に訴えがちのロシアが、こうしてASEANと経済を前面に立てた関係を推進しているのは、歓迎すべきこと。アジア・太平洋地域の安定維持、航海路の安全維持に、ロシアも組み込んでいけばいい。

ロシアのプーチン大統領は5月20日、ロシア南部のソチで、ASEANに加盟する10か国の首脳らを招いた。ロシアが主導する「ユーラシア経済同盟」との地域間の経済協力などを協議する。

Newsweek, 2016.5.31, p.15 + NHK News Web, 2016.5.21

設樂剛事務所

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